1.キャリアコンサルティングとは
キャリアコンサルティングとは、「個人がその適正や職業経験等に応じて、自律的に職業生活設計を行い、職業能力開発を効果的に行うことができるよう、個別の希望に応じて実施される相談その他の支援 」のことを言います。
キャリアコンサルティングで組織の活性化と持続的成長を支援
DX加速化等の社会変化、新型コロナ禍の長期化、終身雇用の崩壊等に伴い、求められる職業能力の変化、従業員のキャリア感の変化、働き方の選択肢の多様性等、働く環境が大きく変化しています。
この変化に対応するために、企業は、従業員が自律的にキャリア形成を推進できる取り組みを支援する必要があります。従業員がキャリア自律を通して成長していくことが、組織活性化と企業の持続的成長に繋がります。
保有する人材の価値を最大限に引き出すためには、外部のキャリアコンサルタントを活用して計画的、定期的なキャリアコンサルティングが有効です。
外部キャリアコンサルタントは、経営戦略に沿って、人事担当者と連携しながら、「組織の活性化と持続的発展という視点に立ち、従業員一人ひとりに寄り添って、内なるミッションや社会的意義を明確化し、組織のパーパスと個人のパーパスの重なりを広げながら、自律的キャリア形成が促進されることを支援していきます。
キャリアコンサルティングを通して、従業員が会社のパーパスを理解し、自らの経験を省察し、学びにつなげていくことで、ありたい姿へ一歩一歩近づいていくことができるようになります。
働く環境の変化に対応するために必要な「アンラーニング」
職業人生が長期化し、かつ変化の激しい時代では、「アンラーニング(学習棄却)」が必要です。
「アンラーニング(学習棄却)」は、これまで学んだことを忘れることではありません。また単なる「学び直し」でもありません。これまで学んだ能力を認識し、個人やビジネスの進化のために習慣やテクニックを変えることです。
「Unlearning is not about forgetting what you have learned. On the contrary, it is about being aware of it and still having the ability to modify habits or techniques in favor of personal or business evolution.」
出典 https://hbr.org/ 「Why the Problem with Learning Is Unlearning by Mark Bonchek」
東京大学経済学部の柳川範之教授は「Unlearn』という著書で、「アンラーンは学びの否定ではなく、これまで学んだ知識や身につけた技術を振り返り、さらなる学びや成長につながる形に整理し直すプロセスで、学びによる知識や経験をよりよく活かし、長いスパンで活躍し続けるためのとても重要なステップである」と指摘しています。
アンラーニングは、求められる職業能力が変化していく中、身につけた能力を整理し、新たに必要な知識や技術を学ぶことを促すことで、従業員の成長を後押しするきっかけとなります。
また、アンラーニングに取り組むことで、これまでの技術や仕事の進め方を見直すことができます。その結果、業務効率が改善され、生産性向上につながるでしょう。
アンラーニングは、自分一人で行うと「思い込み」や「思考のクセ」がブレーキになり、うまくいきません。これまでの成功体験を捨て、新しい知識・スキル等を身に付けることは、勇気がいるものなのです。そこで、キャリアコンサルタントと一緒にこれまでの経験や知識・技術を整理し、使えるものと捨てるものを振り返りをしながら、ありたい未来をイメージし、手に入れたい能力や技術を具体化していくことが必要です。
2.キャリアコンサルティングが求められている背景
少子高齢化社会が進むなか、ますます人材不足が深刻となり、企業が持続的に発展するためには、従業員の能力開発および定着が重要な課題となってきています。
従業員一人ひとりが職務の範囲以上の生産性を上げるためには、組織ミッションと職務が「本来の自分」と繋がり、内的な動機づけが形成されていることが重要となります。
キャリアカウンセリングを通じて個人の内面に深い変容を起こし、仕事への意義や意味を強化するということは、組織を活性化するうえで強い影響力をもたらすことになります。
3.企業側に求められること
企業内キャリアコンサルティングを効果的に実施するにあたり、企業は、「組織ミッションと個人のキャリア形成」を結びつけるため、次の制度構築が求められます。
ⅰ. キャリアコンサルティングと同時に安心・安全な職場環境を整備する
職業人生が長期化することで、従業員を成長させるために大切な事はキャリア形成だけではありません。職場環境そのものが「心理的・身体的に安心・安全な場」であるかどうかです。キャリア形成は、働きやすい、働きがいのある職場環境が整備されていなければ促進されません。
そのためには、労働諸法令の遵守は元より、法令を上回る働きやすい職場環境の整備を推進することが不可欠です。
育児・介護、病気治療との両立支援、長時間労働の削減、ハラスメント防止、メンタルヘルス不全への対応にも取り組む必要があります。
一般社団法人未来のワークデザイン研究所のキャリアコンサルティングは、国家資格キャリアコンサルタントの資格に加えて、特定社会保険労務士、シニア産業カウンセラー、公認心理士等、心と労働法の専門的資格を保有しています。
個人の成長と企業の成長を同時に支援いたします。
ⅱ. 求める人材像の明確化
将来の事業展望・経営戦略から求める人材像を抽出する
どのような会社にしたいのか。どのような戦略を実行したいのか
そのためにはどのような組織にしたいのか
ⅲ. 人事処遇の基本となる枠組みを構築する
※キャリア・パスとは・・・
ある職位や職務に就任するために必要な一連の業務経験とその順序、配置異動のルートのこと
どんな仕事をどれくらいの期間担当し、どの程度の習熟レベルに達すれば、どういうポストに就けるのか、キャリアアップの道筋や基準・条件を明確化した人材育成制度のこと
ⅳ. その他の具体的な方策
- 社内・社外研修制度
- 資格取得支援
- 学費や受験料の補助(助成金、教育訓練給付金の利用)
- 相談や情報提供
- 自己啓発のための休暇
- 勤務時間の短縮
- 残業の免除
- 勉強しやすい部署への配置・異動
- 個別面談の実施
- メンター制度
- 1on1実施支援
- モチベーションをあげるコミュニケーションづくり
- 複線型キャリアパス、多様な働き方の提示 など
4.キャリアコンサルティングの流れ
STEP 1. 自己理解
従業員本人の適正・能力等を把握するとともに、これまでの職業経験の棚卸しをする。
- 自分の適性、能力(スキル・知識)を把握しているか?
- 仕事をしていく上で自分の強み(長所)を把握しているか?
- 仕事に何を求めているのか?
- 自信を失っていたり、過信していないか?
STEP 2. 仕事理解
勤務する会社の組織ミッション及び課題、従事する職務を理解する。
- 会社の組織ミッションを理解しているか?
- 仕事をしていく上で自分の強み(長所)を把握しているか?
- 会社のキャリアパスを理解しているか?
- 職場からどのようなスキルが求められていると思っているのか?
- どのような資格、スキルがあれば、今よりもっと会社の期待に応えられると思うか?
STEP 3. 今後の職業生活設計、目標の明確化
中長期的な目標を設定し、今後のキャリア形成の方向性を整理する。
- 今後どのようになりたいか希望はあるのか?
- 今後どのような職業生活を送っていきたいのか?
- 中長期的な目標設定ができているか?
- 目標達成に向けて、やるべきことがわかっているか?
STEP 4. 意思決定した実行支援および評価
意思決定したキャリアプランを実行し評価を行うなかで、
必要があればキャリアプランを修正する。
これら一連のプロセスが、人生の中で何回か繰り返されキャリアが形成されていく。
その他
個人情報の守秘義務を守ることを約し、仕事以外の悩み、ストレスについて傾聴する。
- 何か悩みを抱えている。
- ストレス、トラブルを抱えている。
- 一人ではどうすればいいのかわからない。
- 誰にも相談できない。
キャリアコンサルタントは、職務を通じて知り得た秘密について、正当な理由なく勤務する会社や第三者に漏らすことや利用することは決して行わず、守秘義務を遵守いたします。
会社担当者様に対しては、個人が特定されないよう、人材育成のための全体的な視点でのフィードバックを行います。
企業内キャリアコンサルティング料金(オンライン対応 )
キャリアコンサルティング (1人あたり) |
12,000円(税抜き)/1回60分 延長15分毎加算 3,000円(税抜き) |
キャリアコンサルティング ※ジョブカード交付の場合 (1人あたり) |
15,000円 (税抜き)/1回60分 |
*オンライン又は当社面談室以外でのコンサルティングは交通費及び距離に応じた出張料金が加算されます。 |
コンサルタント紹介
沼田 博子
特定社会保険労務士、シニア産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、公認不正検査士、プロティアン認定ファシリテーター
経歴
1981年 | イズミヤ株式会社入社、本社仕入部、店舗人事、子供服主任 |
1990年 | 株式会社ウイルに転職、人材派遣の営業責任者として従事 |
1996年 | 社会保険労務士として開業 労務相談を専門とし「対話と仕組みで課題を解決」 |
2015年 | 一般社団法人SRストレスチェック支援センター(現 未来のワークデザイン研究所)設立 代表理事 就任 |
2017年 | 社会保険労務士事務所を社会保険労務士法人ハーネスへ組織改編 代表社員 就任 |
主なセミナー・研修内容
「キャリアデザイン研修」「リーダーのためのキャリア支援研修」「メンター制度導入」「職場のハラスメント防止研修」「リフレクション研修」「コミュケーション力向上研修」「女性活躍推進研修」「ミドルシニア戦力化研修」「ダイバーシティ推進研修」「アンコンシャスバイアス研修」「人事評価者研修」「「新入社員研修」「管理職研修」等
メッセージ
心理と法律の専門家として、「対話から解決へつなげるキャリア・コンサルティング&ワークショップ」で人と企業の未来を描く支援をしています。
見澤 行子
臨床心理士、公認心理師、キャリアコンサルタント
経歴
大学卒業後、アパレルメーカで営業事務を経験した後、人材派遣業に転職。そこで、コンサルティング営業、人材コーディネーター経験を積みつつ、労働保険、社会保険、勤怠管理の知識を身につける。さらなるスキルアップを目指し、総合商社内で、新卒・中途採用、社員教育、給与計算など人事業務に従事。直近は興味をもっていた心理学を大学院で学び、現在、臨床心理士 キャリアコンサルタントとしてメンタルヘルスの支援に取り組んでいます。
メッセージ
急速な技術革新の進展や社会・経済環境の変化の中で、人々の働き方も大きく変わろうとしています。新たなしくみづくりの中「個人」のあり方にも変革が求められています。どのように働くのか、どのような生き方を選ぶのかが問われる時代となりました。皆様の自律的キャリア形成のお手伝いができればうれしく思います。
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